萩市千石台の農家光井優さん〜家族の笑顔のために挑み続ける新規就農者〜

「家族と過ごす時間が増えたことが幸せです。」そのためなら苦労さえも楽しくなると今回の主人公である新規就農者の光井優さんは話されます。

光井さんは千石台では珍しい「千石台大根」を作らない野菜栽培をおこなう農家です。栽培される野菜はキャベツ、ブロッコリー、人参、スイカなど。その野菜を「自分の子供に食べさせることができる野菜を作る」という想いを持って栽培されています。その野菜は千石台の豊かな自然の恩恵をしっかりと吸収して育っているためとても味がしっかりと伝わる美味しい野菜です。県外から来られた光井さんもお世辞抜きで目を光らせながら「千石台の野菜は本当に美味しんです。だからより多くの人に食べて欲しいです。」と自信を持って言われています。せっかく出来た野菜を多くの人に食べて頂くためにも見た目の良さにも気を使います。そのためせっかく大事に育てても当然出荷出来ない野菜も存在します。それをできるだけ少なくするためにもより良い野菜を栽培できるように日々試行錯誤が続くと言われます。

2015年に岡山県の保育士の仕事を辞めて妻の実家がある萩市むつみ地区千石台に移住されてきました。2年間の研修期間を経て2017年に新規就農を開始します。この移住して農業をはじめるキッカケに”家族”が大きく関わっています。移住する1年前に家族を持ち保育士として一生懸命働いていました。しかし、その家族を守るために一生懸命働くほど大切な家族と過ごす時間はほんの少ししかないという理想とは程遠い日々を過ごしていました。その生活に疑問を感じて「家族を守りながらもっと一緒に過ごせる働き方はどうしたらできるのか?」と悩み考えた末に出した答えが”妻の実家の農家を継ぐ”ことでした。当然ながらはじめは周囲から「反対」されます。それでも自分の気持ちを自分の言葉で周囲に伝えることで徐々に理解を得ていくことが出来たそうです。もちろんそれが出来たのも大切な家族の存在があり「一人なら嫌になれば中途半端に逃げるけどそれができない。責任があることでやりきることができる」と「家族を守る責任」が良いエネルギーを生み出す原動力になっていることが言葉から感じ取ることができました。


今後の展開について尋ねると「京都いえば九条ネギ。山口といえば「千石台」。それぐらいに認知度をあげ千石台の発展に貢献したい」と言われる。続けて「今は無理だがいつかは人も雇用することも検討したい」と話される。それは一人でできることに限界があり可能性を拡げ楽しくしていくために必要と考えられている。自分のことばかりではなく地域の発展にも協力していきたいと言われることからも光井さんの優しい人柄が伝わってきます。

最後に光井さんからこれから新規就農したいと思っている人への応援の言葉を聞いて見たところ「全部自分のやりたいようにできるからチャレンジすることを勧めたい。やりたいのに理由はいらないでしょ。」と言われます。その理由は続けて言われた「農業は良い仕事。今、僕が農業をやっていて楽しいから。」と笑顔で言われることから日々の充実感をみて取ることができました。

栽培された野菜は日頃から目にするような人参、キャベツ、大根などです。実際に人参の味は人柄を表すように優しさがありそれでいて変な癖がなく食べやすかったです。

農業始めてまだ4年目と謙虚な姿勢は崩さずそれでも着実に足元を固めながら前進する光井さんの姿は頼もしくもありました。